脳の病気

くも膜下出血

●脳表を覆うくも膜という膜と脳表との間(くも膜下腔)に突然出血をおこす病気です。

原因は様々ありますが、脳血管に出来た瘤(脳動脈瘤)が破裂することにより発生するものが最も多く、40歳から60歳程度の年齢の方によく見られます。

症状としては頭痛、嘔吐、意識障害が主なものです。

治療は脳動脈瘤の根元をクリップではさむ手術(クリッピング術)が一般的ですが、最近は血管の中から動脈瘤をコイルという塞栓物質で詰めてしまう処置も行われるようになり、開頭手術なしでも治療が可能となってきました。

脳動脈瘤はいったん破裂すると約半数は即死またはそれに近い状態となり残りの半数に手術が行われますが、その半数は高度の障害を残してしまいます。結局元どおりになる方は全体の1/4にしかすぎません。脳動脈瘤は破裂前に脳ドックで発見し未然に治療することが極めて重要です。

脳梗塞

●脳梗塞には3つの種類があります。

  1. 脳深部の非常に細い動脈がつまるラクナ梗塞
  2. 脳の血管に動脈硬化が起き、除々に血管が細くなり、詰まっておこるアテローム血栓性梗塞
  3. 心臓の病気がある場合に心臓の中にできた小さな血の塊が送り出されて脳の血管を閉塞してしまう脳塞栓症

詰まる血管の太さや場所によって症状は異なりますが、手足の麻痺言語障害が起きます。

脳血栓では一時的に片方の目が見えなくなったり、手にもったものを落としたりすることなどの前兆(一過性脳虚血発作TIA)が現れる場合があります。
高血圧・高脂血症(高コレステロール血症)・糖尿病・肥満・心疾患の治療、禁煙が予防のために重要です。


ラクナ梗塞

アテローム血栓性梗塞

脳塞栓症

脳内出血

永年の高血圧が長く続くと、脳の小動脈が弾力性を失って硬くなりある日突然、出血を起こすのが脳出血です。

男性に多く、日中活動時に突然発病し頭痛や吐き気を伴います。
症状は出血が脳のどの場所に起こったかで異なりますが、数分から数時間でもっとも強くなり、重症例では意識障害・手足の麻痺を起こしてきます。

高血圧を長く患っていて、治療が不十分な場合や自己判断で治療を中断した場合などによく見られます。

脳腫瘍

脳:A
脳は神経細胞と神経膠細胞(しんけいこうさいぼう:神経細胞をつなぎ止め固定し支える細胞)から作られています。
脳に発生する腫瘍のほとんどは神経膠細胞から発生します。このグループの腫瘍は、おとなしい性格のタイプから極めて悪性度の高いタイプまで存在する事が知られています。脳のいずれの部分にも発生します。

脳神経:B
脳から直接出ている脳神経(12対あり、におい、眼、顔、耳、舌からノドの働きを司っている神経)も同様に、あたかも日常に用いられている電線の様に、神経細胞と神経を覆い守る鞘の細胞から成り立っています。脳神経に発生する腫瘍も、やはり鞘の細胞から発生する事がほとんどで、おとなしい性格のタイプが多い特徴があります。多くの患者さんが治療を受けている病気に聴神経の腫瘍があります。

脳保護膜:C
総称して髄膜と呼ばれる脳の保護膜からも発生する腫瘍が知られていて、髄膜腫(ずいまくしゅ)と呼ばれています。頭蓋骨の内側のいずれの部分にも発生する可能性があり、様々な性格(良性から悪性まで)のタイプがある事も解ってきています。

下垂体:D
脳の底面に身体のホルモンバランスを調節するセンターがあり、脳下垂体と呼ばれています。この部分にも下垂体腺腫と呼ばれる脳腫瘍が発生します。

その他
脳が形作られる際に存在する細胞が、生まれた後も残って腫瘍化する病気もあり、脳の中心部や中心線上にある構造に発生する事が多い事が知られています。
また、身体の悪性腫瘍(がん)が脳に飛んでくる場合もあり、この場合はいずれの部分でも起こる可能性があり、また複数存在する事も珍しくありません。

慢性硬膜下血腫

ゆっくりと硬膜下に血液が貯蓄してきた状態です。頭痛、精神活動の遅鈍、記憶障害、尿失禁、片麻痺、失語等、認知症と似た症状がみられます。
多くの場合は頭を打って数週間経過してから出現します。外傷の記憶がない場合もあります。

頭痛・身体各所の痛み、しびれ

ある統計によると人口の70-80%が1年間に頭痛を経験するとされており、ありふれた病気と言えるかもしれませんが日常生活に重大な影響を及ぼす深刻な病気でもあります。

脳腫瘍脳卒中が原因で起こる頭痛は全体のごく一部であり、ほとんどは良性のものです。

代表的な頭痛には、片頭痛血管性頭痛ともいわれ、ストレスや特定の食物・アルコールが誘引となり、ズキン・ズキンと拍動性に痛みます)、緊張型頭痛筋収縮性頭痛ともいわれ、頚椎の病気や身体的・精神的なストレスが原因で起こり頭全体が締め付けられるような鈍痛が続きます)などがあります。

頭痛の種類により治療方法がまったく異なる場合もありますので、良性が多いといえどもやはり専門医による診断が大切です。

身体各所の痛み、しびれは、中枢神経(脳・脊髄)の疲労によるものの他、多くは末梢神経のしめつけによっておこります。薬物、神経ブロックなどの治療が有効であり、時に手術を要する場合もあります。

脳脊髄液減少症

脳脊髄液が脳脊髄液腔から漏れる事で減少し、頭痛、頚・肩のはり、めまい、耳鳴り、倦怠などの症状が現れる症状です。初期では起きていると頭痛が強く、横になると治まる。慢性になると横になっても頭痛が治まらないことがあります。
むち打ち症など、交通事故や他の外傷によりおこる場合が多いですが、はっきりとした原因がない場合もあります。
精査及び治療が必要となります。

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